「タルタン寺便り」カテゴリーアーカイブ
霊咊の公案 6)
かごめの歌は、日本の霊的な意味が秘められている不思議な歌です。この歌は様々な読 み取り方があります。一説によるとこの歌は、ヘブライ語で読むことができるとも言われます。ここでは日本的霊性の密教的な視点から歌に隠された霊的な意味を説明します。
〜中略〜
かごめのシンボル六芒星には、十という完成の真理が秘められている。
それは夜明けと晩に開かれる霊的な世界とつながる時、
鶴と亀、八と六、天と地のエネルギーが一つの行として行じられることで、
エネルギー転換が起こる。
それが、徳という日本的霊性を開く修行、
あなた自身に内在している本質だ。
この「徳」という深い意味が、日本人の霊性の本質だと、直感的に理解できます。徳という霊的な意味には、深い大和心の本質が秘められているのです。
令和四年 元旦迎春 霊咊の公案 5)
大和心が、ここでのテーマです。江戸時代の国学者本居宣長が日本の精神性を、大和心こそが重要なキーワードだと説きました。 本居宣長六十一歳の時、「敷島の歌」( しきしまのうた ) を読んで、その精神性を表現しています。
「しき嶋の やまとごころを人とはば 朝日ににほふ 山ざくら花 」
大和心を論理的に表現することは難しいとされ、本居 宣長は敷島の歌でその精神の美しさを、山ざくらと表現したのです。
~中略~
大和心とは、あらゆる多様性を受け入れ、その中に調和を求める真心。それは言葉では表せず、倫理的にも表現できない、ハートとハート、霊性と霊性の融合、それは古代からの日本人の精神性、優しさ、思いやり、調和を本来の霊性として、様々な歌に詠まれてきました。この多様的精神の統合、調和と平和の霊性が、大和心なのです。
聖徳太子は、この倫理的に説明することが難しい大和心の精神性を、「神道と儒教と仏教」として説明されました。
霊咊の公案 4)
理趣経の奥深さは、親鸞聖人の南無阿弥陀仏と同様に、世俗や自身の心が煩悩で汚れている為に、清める目的で理趣経を読むのではなく、本来清浄という境地に目覚めることを説くところです。般若経は、元々本来の空なる本質に気付くことを重要とし、自我の苦しみ、悲しみ、悩み、恐怖、それら全ての精神活動が、五蘊や六根十二処十八界が作りあげた虚妄の世界と捉えます。自分が作り出すエゴのフィルターを介すことなく、般若の覚醒意識にただ留まることが、空性の禅定です。
~中略~
チベット仏教では般若経に説かれる智慧の瞑想が、何も捉えらない青い空に喩えられるように、その広大な空間と意識空間は同等と見ます。青い空に雲が現れても、それは常に生々流転し、一瞬も留まることなく、来ては去ってゆくものです。その雲は、私たちの心に去来する思考そのもの、雲を追うことなく、青い空間をただ見つめること、密教ではそれが意識の本質そのものだと理解します。
この広大な空間を仏教では、法界 (ダルマダートゥ)と言います。
霊咊の公案 3)
霊咊の公案 3)
日本的霊性と言いますと、禅宗系仏教学者鈴木大拙の名著があります。
私が本書で語る日本的霊性は、鈴木大拙の語る日本的霊性とは対極の視点を持っています。本書で語る日本的霊性は、鈴木大拙が触れなかった修験道や密教の視点に光を当て、神道と顕密仏教の関係性、神仏習合や本地垂迹という日本の神々の視点から、明治の廃仏毀釈後の民衆への霊示を含む日本的霊性を取り上げています。
~中略~
神仏習合の古神道、修験道においても、般若心経を唱えるからこそ、神様や仏様、様々な霊体が活き、その霊力が発動するので、神変加持の成就力が深まります。この般若の智慧 がないと、霊体に囚われ、その本質が見えなくなってしまいます。般若心経が説く空性の理解を得てこそ、霊的な進化を遂げることができるのです。ですので、古神道や修験道の密教行者が般若心経を読むことの意味は非常に深く、日本人が般若心経を大切にしてきた歴史は、価値深いことだと思います。
「令和と霊咊の日本的霊性」出版記念講座のお知らせ
霊咊の公案 2)
霊咊の公案 2)
今上天皇陛下と仙人の話をさせていただきます。笹目秀和という方の名前を聞かれたこ とがありますか。昭和時代に奥多摩に仙人が住むと、笹目仙人と知られていた方です。
〜中略〜
昭和十年、笹目先生が大本の聖師出口王仁三郎を綾部に訪ねた時、王仁三郎師から竹筒を渡され、「これを崑崙山に埋めてきてくれ」と頼まれます。笹目先生はそれを快く引き 受けますが、朝鮮半島に渡った時に、大本が大弾圧されたことを知り、その竹筒が大本の 御神体である重要な意味を理解します。そして、その竹筒を崑崙山頂に埋めにゆくことになります。
笹目先生は、王仁三郎師の竹筒を持って崑崙山脈青海辺境に住む崑崙仙人を訪ね、崑崙山頂に御神体を埋めに行きます。その時、崑崙仙人と一緒に鶴に乗って、崑崙山頂へと飛び立ちます。この鶴は小型ヘリコプターくらいの大きさだったと、笹目先生はおっしゃっていました。大鶴に乗って飛ぶ上空は、とても寒いので鶴に乗って飛ぶ時は、崑崙仙人か ら学んだ太陽の氣をくらう法、離火印という秘法を行じていたので極寒の上空も飛行することができたそうです。そして、崑崙山頂に大本御神体の竹筒を無事、奉納されたと笹目先生は話されました。
令和と霊咊の日本的霊性 ー飛騨の密教行者が語る自由の菩薩と弥勒の世ー
令和と霊咊の日本的霊性-飛騨の密教行者が語る自由の菩薩と弥勒の世-
三笠宮殿下のメッセージ「咊」を古神道、修験道、密教の視点から読み解く。
天皇陛下と笹目秀和仙人との交流から霊体天皇、霊的統合の象徴スメラギの存在として捉え、大和心の霊性の本質を説き明かす。
本地垂迹説の神仏習合と霊学鎮魂帰神法から、タントラ密教の般若の智慧と密教瞑想法を提示し、霊的行体系を見つめ直す。民衆の産土神のエネルギー、艮の金神の可能性を提示する。
五濁悪世の末法の世、令和の時代に生きる私たちが、大地から無数に湧き出る自由の菩薩として、弥勒の世への覚醒意識に目覚める新たな生き方を提示する異彩の書。
目次
はじめの一歩 菩薩の請願 梵鐘勧進活動
第一章 霊的統合の象徴 スメラギの「咊」
1 三笠宮殿下のメッセージ「和」と「咊」
天皇陛下と笹目秀和仙人
霊体とのコンタクト技法 扶乱
笹目先生と笹川氏
2 現成公案 昭和通商から右傾集団
「カルト」「原理主義」「密教」の霊的境界
後醍醐天皇の南朝霊統と密教
スメラギの霊統と現人神
3 アジアの霊的経綸の祈り
現人神の即身成仏
第二章 神仏習合 日本的霊性の「咊」
1 神仏習合の日本の霊性
古神道、修験道、密教の霊的行体系の系譜
廃仏毀釈と国家神道への道
2 艮の金神、荒神、荒御霊の産土神のエネルギー
まつろわぬ民 飛騨の豪族両面宿儺
艮の金神の霊性の源流
3 古神道の霊学と鎮魂帰神法とタントラ密教
仏教九乗教範から観る霊性の階梯
4 本地垂迹のマニュアル書 修験道成就法
密教の神変加持力 日本的霊性の可能性
第三章 般若心経から深まる日本的霊性
1 鈴木大拙が説く日本的霊性
般若心経という日本的霊性の価値
般若心経から密教の智慧へ
カリフォルニアの青い空
2 ブッダの視野 華厳の世界
智慧の光明と天界のヒエラルキー
石に、水に、光に、虚空に、意志が宿る
3 密教行者の瞑想
ジュニヤーナサットヴァとサマヤサットヴァ
智慧の光明から観音様の振動を観る瞑想法
智慧の氣と覚醒意識
無為の瞑想
4 文殊の智慧から時輪タントラが説く世界最終戦争
第四章 自由の菩薩と弥勒の世
1 グルジェフには愛がない 西洋神秘思想
トランスパーソナル心理学からチベット仏教へ
ゴイム思想と自由遺伝子
2 古代ユダヤと景教 救世主ミロク
大和心と霊咊の氣
かごめの歌 十四の心を行ずる徳
3 五濁悪世の末法の世
みのおわりからミロクの世
美濃尾張の鬼門 北の焔魔堂
4 菩薩的生き方のすすめ 大地から湧き出る自由の菩薩
菩薩の修行徳目六波羅蜜 十地の道しるべ
八種の菩薩のタイプと地蔵菩薩の摩尼宝珠
自由の菩薩と弥勒の世 内なる仏国土に目覚める
第五章 霊咊の祈り 本来清浄 円満成就
1 亀の島が仏国土となる日
2 飛騨の密教行者
小欲知足の暮らし、抜苦与楽の意志、円満成就の祈り
あとがき むすんでひらいて 五濁悪世の現成公案
霊性要語の基礎知識
チベット仏教講座再講のお知らせ
五濁悪世の現成公案
̶自然治癒力の智慧で刧濁を生き抜くー
☆甚目寺観音法花院仏教講座
場所:甚目寺観音内法花院(愛知県あま市甚目寺町門前1
日時:2021年10月16日(土)午後4時~6時
☆円徳寺仏教講座
場所:円徳寺本堂(岐阜市神田町6)
日時:2021年10月17日(日)午後3時~5時
会費:二千円(上記二カ所基本同じ内容です)
長い自粛の時を経て、仏教講座を今月再講のお知らせをいたします。
末法の世の刧濁には、戦争、飢餓、疾病の蔓延が起こると示されています。今、世界で起きているパンデミックや様々な問題を見つめ、その因果を考え、世界の中で自分の生き方と関わり方を深めていきたいと思います。
今まで学んだ密教の霊性の視点から、見えない先の世界を観、聞こえない神仏のメッセージを聴き、開かれた密教曼荼羅の世界観と実践行を深めてゆきます。
今回の仏教講座では、瞑想ヨーガ、クムニェの実習を行いながら、世界的な刧濁を生き抜く智慧を考えます。
チベット仏教金剛乗ニンマ派
ウッディヤーナ山タルタン寺 林久義
問い合わせは以下のメールでお願いします。
お寺への直接連絡はご遠慮下さい。
oddiyana☆gmail.com(☆は@)
ロンチェンパが七法蔵を記したカンリトガ
チベットのラサ郊外14C,ロンチェンパが七法蔵を記したカンリトガ。