チベット仏教講座」カテゴリーアーカイブ

ディルゴ・キェンツェ・リンポチェの4行の要決

ディルゴ・キェンツェ・リンポチェの4行の要決

བླ་མ་མ་བརྗེད་རྟག་ཏུ་གསོལ་བ་ཐོབ། །

lama ma jé tak tu solwa tob

上師を忘れることなく、常に上師に祈るように。

རང་སེམས་མ་ཡེངས་རང་ངོ་རང་གིས་ལྟོས། །

rang sem ma yeng rang ngo rang gi tö

心を乱すことなく、常に心の本質を見つめるように。

འཆི་བ་མ་བརྗེད་ཆོས་ལ་བསྐུལ་མ་ཐོབ། །

chiwa ma je chö la kul ma thob

死を忘れることなく、常にダルマの修行に励むように。

སེམས་ཅན་མ་བརྗེད་སྙིང་རྗེ་བསྔོ་སྨོན་གྱིས། །

semchen ma je nyingje ngo mön gyi

衆生を忘れることなく、常に慈悲の功徳を以て、菩薩の請願を掲げるように。

令和四年 元旦迎春 霊咊の公案 5)

令和と霊咊の日本的霊性より

大和心が、ここでのテーマです。江戸時代の国学者本居宣長が日本の精神性を、大和心こそが重要なキーワードだと説きました。 本居宣長六十一歳の時、「敷島の歌」( しきしまのうた ) を読んで、その精神性を表現しています。 

「しき嶋の やまとごころを人とはば 朝日ににほふ 山ざくら花 」

大和心を論理的に表現することは難しいとされ、本居 宣長は敷島の歌でその精神の美しさを、山ざくらと表現したのです。 

 ~中略~

大和心とは、あらゆる多様性を受け入れ、その中に調和を求める真心。それは言葉では表せず、倫理的にも表現できない、ハートとハート、霊性と霊性の融合、それは古代からの日本人の精神性、優しさ、思いやり、調和を本来の霊性として、様々な歌に詠まれてきました。この多様的精神の統合、調和と平和の霊性が、大和心なのです。 

聖徳太子は、この倫理的に説明することが難しい大和心の精神性を、「神道と儒教と仏教」として説明されました。 

霊咊の公案 4)

理趣経の奥深さは、親鸞聖人の南無阿弥陀仏と同様に、世俗や自身の心が煩悩で汚れている為に、清める目的で理趣経を読むのではなく、本来清浄という境地に目覚めることを説くところです。般若経は、元々本来の空なる本質に気付くことを重要とし、自我の苦しみ、悲しみ、悩み、恐怖、それら全ての精神活動が、五蘊や六根十二処十八界が作りあげた虚妄の世界と捉えます。自分が作り出すエゴのフィルターを介すことなく、般若の覚醒意識にただ留まることが、空性の禅定です。

 ~中略~

チベット仏教では般若経に説かれる智慧の瞑想が、何も捉えらない青い空に喩えられるように、その広大な空間と意識空間は同等と見ます。青い空に雲が現れても、それは常に生々流転し、一瞬も留まることなく、来ては去ってゆくものです。その雲は、私たちの心に去来する思考そのもの、雲を追うことなく、青い空間をただ見つめること、密教ではそれが意識の本質そのものだと理解します。

この広大な空間を仏教では、法界 ダルマダートゥと言います。 

霊咊の公案 3)

霊咊の公案 3)

日本的霊性と言いますと、禅宗系仏教学者鈴木大拙の名著があります。

私が本書で語る日本的霊性は、鈴木大拙の語る日本的霊性とは対極の視点を持っています。本書で語る日本的霊性は、鈴木大拙が触れなかった修験道や密教の視点に光を当て、神道と顕密仏教の関係性、神仏習合や本地垂迹という日本の神々の視点から、明治の廃仏毀釈後の民衆への霊示を含む日本的霊性を取り上げています。

~中略~

神仏習合の古神道、修験道においても、般若心経を唱えるからこそ、神様や仏様、様々な霊体が活き、その霊力が発動するので、神変加持の成就力が深まります。この般若の智慧 がないと、霊体に囚われ、その本質が見えなくなってしまいます。般若心経が説く空性の理解を得てこそ、霊的な進化を遂げることができるのです。ですので、古神道や修験道の密教行者が般若心経を読むことの意味は非常に深く、日本人が般若心経を大切にしてきた歴史は、価値深いことだと思います。

「令和と霊咊の日本的霊性」出版記念講座のお知らせ

チベット仏教講座のお知らせ
「令和と霊咊の日本的霊性」出版記念講座
日時:11月20日(土)4pm-6pm
場所:甚目寺観音内法花院
愛知県あま市甚目寺町門前1
日時:11月21日(日)3pm-5pm
場所:円徳寺本堂
岐阜市神田町6
 共に参加費:2千円
今回の仏教講座は出版記念講座として、本書の視点から日本的霊性を語ります。
「咊」の文字を密教の視点から読み解き、令和の時代に菩薩的生き方を提示する異彩の書となりました。
HPに全目次を表示しました。ご参照ください。
「令和と霊咊の日本的霊性 ー飛騨の密教行者が語る自由の菩薩と弥勒の世ー」
ISBN 978-4-434-29720-5 C0010 ¥2400E
A5判・並製本・296頁 定価2640円(本体2400円+税)
発行:ダルマワークス 発売:星雲社

霊咊の公案 1)

霊咊の公案 1)

令和と霊咊の日本的霊性より

 日本という国は非常に不思議な国です。それは、天皇というスメラギの存在が古代より 続く世界的にも稀な歴史を持つ民族です。皇紀では、令和元年は二六七九年となります。 

ここでは三つの視点から、天皇の立場を捉えます。
一つ目の視点は、現日本国憲法に明記された「天皇制」という地位です。戦後一九四六年新憲法に制定され、日本国憲法第一条天皇に明記された「日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」と、天皇制の地位と立場、役割を定めています。この象徴天皇を、政体天皇と捉えます 

 二つ目の視点は、「天皇と皇族」という血統としての皇室です。これは初代神武天皇以来、 百二十六代途切れなく続く YAP 遺伝子の血統を保持する家系であり、大和朝廷の歴史を 皇紀に記し、現代に続く大和朝廷の「和」が象徴する天皇です。この皇統を、國體天皇と捉えます 

 そして、三つ目の視点が、スメラギ ( 天皇 ) という古代から日本に保持されてきた霊的 統合の象徴としての存在です。本書ではこの霊性を「咊」という文字で表現し、この霊的天皇をスメラギと尊称し、霊体天皇と捉えます。

~中略~

菩薩という生き方は、紀元前後にインドで起こった大乗仏教運動以来、人類の進化にとっ て一番重要な道を示しています。大乗仏教の核心である菩薩とは、自分の我を出すのではなく、世のため人のために働くこと、他を利することが、菩薩という生き方で。 

神道においては、この菩薩の働きを、ミコト(命)と言います。海彦山彦など生活の営みを行なう男は「彦」、女性は「姫」、これは個のレベルですが、大きな使命を受け超個の レベルで天下の役割を果たす者が「ミコト(命)」です。 

~中略~

日本では皇室の秋篠宮眞子様の結婚が、「菊の結界」の綻びと危惧します。同じ娘を持 つ親として、秋篠宮殿下の御気持ちを察します。氣を離さず常に氣を繋げ続け、ご本人が 国御霊の命(みこと)として国際社会での役割に目覚められる事を強く祈っています。 

令和と霊咊の日本的霊性 ー飛騨の密教行者が語る自由の菩薩と弥勒の世ー

令和と霊咊の日本的霊性-飛騨の密教行者が語る自由の菩薩と弥勒の世-


三笠宮殿下のメッセージ「咊」を古神道、修験道、密教の視点から読み解く。
天皇陛下と笹目秀和仙人との交流から霊体天皇、霊的統合の象徴スメラギの存在として捉え、大和心の霊性の本質を説き明かす。
本地垂迹説の神仏習合と霊学鎮魂帰神法から、タントラ密教の般若の智慧と密教瞑想法を提示し、霊的行体系を見つめ直す。民衆の産土神のエネルギー、艮の金神の可能性を提示する。
五濁悪世の末法の世、令和の時代に生きる私たちが、大地から無数に湧き出る自由の菩薩として、弥勒の世への覚醒意識に目覚める新たな生き方を提示する異彩の書。

目次

はじめの一歩 菩薩の請願 梵鐘勧進活動

第一章 霊的統合の象徴 スメラギの「咊」
1 三笠宮殿下のメッセージ「和」と「咊」
天皇陛下と笹目秀和仙人
霊体とのコンタクト技法 扶乱
笹目先生と笹川氏
2 現成公案 昭和通商から右傾集団
「カルト」「原理主義」「密教」の霊的境界
後醍醐天皇の南朝霊統と密教
スメラギの霊統と現人神
3 アジアの霊的経綸の祈り
現人神の即身成仏

第二章 神仏習合 日本的霊性の「咊」
1 神仏習合の日本の霊性
古神道、修験道、密教の霊的行体系の系譜
廃仏毀釈と国家神道への道
2 艮の金神、荒神、荒御霊の産土神のエネルギー
まつろわぬ民 飛騨の豪族両面宿儺
艮の金神の霊性の源流
3 古神道の霊学と鎮魂帰神法とタントラ密教
仏教九乗教範から観る霊性の階梯
4 本地垂迹のマニュアル書 修験道成就法
密教の神変加持力 日本的霊性の可能性

第三章 般若心経から深まる日本的霊性
1 鈴木大拙が説く日本的霊性
般若心経という日本的霊性の価値
般若心経から密教の智慧へ
カリフォルニアの青い空
2 ブッダの視野 華厳の世界
智慧の光明と天界のヒエラルキー
石に、水に、光に、虚空に、意志が宿る
3 密教行者の瞑想
ジュニヤーナサットヴァとサマヤサットヴァ
智慧の光明から観音様の振動を観る瞑想法
智慧の氣と覚醒意識
無為の瞑想
4 文殊の智慧から時輪タントラが説く世界最終戦争

第四章 自由の菩薩と弥勒の世
1 グルジェフには愛がない 西洋神秘思想
トランスパーソナル心理学からチベット仏教へ
ゴイム思想と自由遺伝子
2 古代ユダヤと景教 救世主ミロク
大和心と霊咊の氣
かごめの歌 十四の心を行ずる徳
3 五濁悪世の末法の世
みのおわりからミロクの世
美濃尾張の鬼門 北の焔魔堂
4 菩薩的生き方のすすめ 大地から湧き出る自由の菩薩
菩薩の修行徳目六波羅蜜 十地の道しるべ
八種の菩薩のタイプと地蔵菩薩の摩尼宝珠
自由の菩薩と弥勒の世 内なる仏国土に目覚める

第五章 霊咊の祈り 本来清浄 円満成就
1 亀の島が仏国土となる日
2 飛騨の密教行者
 小欲知足の暮らし、抜苦与楽の意志、円満成就の祈り

あとがき むすんでひらいて 五濁悪世の現成公案

霊性要語の基礎知識

タルタン・チョクトゥル・リンポチェ

タルタン・チョクトゥル・リンポチェ トゥプテン・チョキダワ(1894-1959)タルタン寺院座主。
ニンマ派六大寺院パユゥル寺院初代座主パユゥル・リグジン・クンザン・シェーラブ(1636-1699)の転生者。聖文殊師利の権化。
前ニンマ派代表、HH故ペノー・リンポチェ(1932-2009)の師。
オディヤン寺院、タルタン・トゥルク・リンポチェ(1935-)の師

ディルゴ・キェンツェ・リンポチェの教え2

何を為すにせよ、常に自身の心を鏡として見つめよ。
如何なる動機も、自分の為か他者の為かと良く吟味すべし。
然すれば、如何なる状況にでも、自身の心を師として智慧を深められよう。
遂には、過去の成就者の足跡に従い、今生で覚醒を得られよう。

ディルゴ・キェンツェ・リンポチェ