師タルタン・トゥルクとの出会いと吉福伸逸氏

師タルタン・トゥルクとの出会いは1983年三田の龍源寺で、C+F主催「タルタン・トゥルクTSK(時間、空間、知識)セミナー」にスタッフとして参加した縁でした。1983年中国政府が外国人旅行者を受け入れた機に、タルタン・トゥルクは米国籍でチベット内を訪れた初のチベットラマだと思います。その帰国の途に日本に立ち寄る情報を当時の通訳越川氏よりC+Fコミュニケーションズの吉福伸逸氏に打診があり、TSKセミナーが実現したのでした。

吉福伸逸氏には、80年初頭インド帰りの跳んだ私を受け入れて頂き「早稲田大学神秘哲学研究会」のメンバーたちとグルジェフワークの実験グループ「グルジェフ研究会」として数年間、神秘学、ニューエイジサイエンス、トランスパーソナル心理学など当時の最先端の精神世界の教えを直接御指導下さいました。
吉福氏のクールながらも要訣をついたアドバイスによって、私の精神の道を奥深いものへと導いて頂きました。高円寺にあったC+Fの吉福氏の仕事部屋は、禅寺老師の方丈ような厳しくも内心ユーモアーに包まれていたトーンが、今でも忘れられません。

当時私の内心では、グルジェフの深い神秘思想に引かれながらも「グルジェフには愛がない!」との最終結論に至り、仏教の「智慧と慈悲」を求めていった経過がありました。私をグルジェフからチベット仏教、カリフォルニアのオディヤン寺院に導いてくださった吉福氏に、今も感謝しています。
2013年、吉福氏はハワイのご自宅でご逝去されました。心よりご冥福をお祈り致しております。