チベット医学の瞑想ヨーガ クムニェ

チベット医学の瞑想ヨーガ クムニェ


クムニェの歴史的文献は、チベット医学書の中や仏 教の律蔵の中などに見られます。チベットの医学書は 身体と宇宙の法則に従って生きることを主題にしており、広範な治癒法の解説をも含んでいます。この様にクムニェは、インド医学や中国医学に連なるチベット医学において、精神と医学の理論と実践の系譜に属するものです。この系譜はヨーガや気功、針灸などを含む数多くの養生法として発展してきました。更に、現在の心身修行法のルーツでもあります。

ここで語られる瞑想ヨーガ、クムニェのシステムは私自身の体験を通して、特に現代のニーズに合う様に改良されたものです。チベットで過ごした少年時代に、内科医であり在俗ラマであった父が、私にクムニェを 教えてくれました。残念ながら、クムニェはチベットでは独立した形として広まってはおらず、ほとんどの 教えが他の修行の中にその一部として組み込まれてい ます。私の師たちは、ニンマ派のゾクチェンの法脈に 伝わる身体の微細なエネルギーシステム、ニンティク・ ツァルンという伝統的なヨーガ行法を口承する時に、クムニェの基本理論と実践を一つの準備段階として教えてくれました。しかし、クムニェは今日まで体系的に活字化されていませんでしたので、私のクムニェの実践を一冊の本にまとめることは、冒険的で実験的な特徴あるものになりました。

チベット医学の瞑想ヨーガ クムニェ -リラックスとバランスの自然治癒力心身養生法- 序文より