チベット大蔵経」タグアーカイブ

オディヤンから 飛騨へ (チベット大蔵経ナルタン版制作)

オディヤン寺院での参籠を終え、日本に帰ってきました。

img_003709

オディヤン寺院では、イェシェデ・プロジェクトの重要な事業として、チベット大蔵経ナルタン版を1000セットを作製する復刻作業を行っていました。ナルタン版1セット325巻が1000セットの総数32万5千巻は、一つひとつ丁寧に作製されています。
これらの経典は、来年のインドブッダガヤセレモニー2010で、各寺院に無償配布するためのものです。

イェシェ・デ・プロジェクトによる経典制作過程

7世紀後半以降、チベットで訳出されてきた膨大な古訳、新訳の経典が各寺の経蔵に所蔵されていました。
チベット大蔵経ナルタン版は、14世紀初頭チム・ジャンペィヤンの多大な努力によってそれらの経典をまとめ上げ、チベット大蔵経ナルタン版として編纂されたものです。
その後、北京版、デルゲ版、ナルタン版、チョネ版などの四大チベット大蔵経は、この旧ナルタン版をベースにして開版されて来ました。

しかし、1959年の中国によるチベット侵略以後、多くの経典が破仏にあい、消散散逸してしまいました。
現在、ナルタン版のオリジナルの版木は完全に消滅し、その版本は世界中で数セットしか現存していないと言われています。

経典散逸の危機を危ぶむタルタン・トゥルク・リンポチェは、この貴重なチベット大蔵経ナルタン版の開版事業を行い、
チベット仏教圏全土の寺院に無償配布するという事業を通して、生きた仏教経典の保護と保存を願っています。

ブッダガヤセレモニーでのチベット経典無償配布

ブッダガヤセレモニーでのチベット経典無償配布

 ブッダガヤセレモニーの設立者、タルタン・トゥルク・リンポチェはセレモニーの当初から、参加全ての僧侶、ヨーガ行者、在家修行者の方々に対して、チベット経典の無償配布を行っています。今年も約10万冊の経典が配布されました。
1989年以来、2百万冊以上の経典をインド、ネパール、ブータン、シッキム、ラダック、チベット本土などに広がるチベット仏教圏の3300以上の寺院に配布を行ってきました。

text109
 
 数年前よりチベット大蔵経を分割して配布することで、数年後にはチベット仏教圏全土に数万部の大蔵経が各寺院に保存されることとなるでしょう。09年の今年は、カンギュール(経典部)の律部、般若部とテンギュール(論釈部)のアビダルマ、そして蔵外教典を中心に約10万部を無事配布することができました。

text209
 
 これらの経典はすべてタルタン・トゥルク・リンポチェとチベッタン・ニンマ・メディテーション・センタ一(TNMC)のイェシェ・デ・プロジェクトによって、カリフォルニアのオディヤン寺院とダルマパビルッシングで、新たにフォントからタイピング、印刷、制作されたものです。毎年毎年多くのボランティアたちの努力によって、まさに手作りによって制作され、チベット仏教徒の手に一つひとつ手渡されてきました。

イェシェ・デ・プロジェクトによる経典制作過程

 タルタン・トゥルク・リンポチェとイェシェ・デ・プロジェクトによる経典無償配布の事業は、未来のチベット仏教史にとって貴重な智慧の伝承の活動として、いつか必ずその種が花開く時を信じています。そしてまた、今年も来年に向けての活動を始めています。

(イェシェ・デ・プロジェクトは、世界中の多くの方々からの浄財によってチベット援助基金(The Tibetan Aid Project)を通して、運営されています。)